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宮本 よく、ゲームを考える時に「ターゲットは?」とか聞かれますよね。困るんですよね。ターゲットというのはあまり設定したことがないんです。「漢字が読める人しか遊べないのでこれでいいという考えで、ルビを付けるかどうかを決める」といった場合には必要なのですが、ターゲットってあまり考えたことがなくて、「いや、多いほどいいですよ」ということなんですよね。
確かに国民性によって相性があって、世界中で売るのは難しいというジャンルもあるとは思います。しかし、周りにあるものと比較して作るのではなく、その人の持っている魅力とか感じている面白さを何とか紹介しようということで作れば、あまりターゲットを意識しなくてもいいと思うんですよね。ただ、素直に作ろうと思うと、無理なことばかり降りかかってくるんですよね。周りから「それはおかしい」と言われたり。
周りにあるゲームに勝つものを作るのも大変なんです。しかし、周りのゲームを超えようということにエネルギーをかけるよりは、自分独自のものを無理に何とか形にする方にエネルギーをかけようとした方が効率的なんです。そういう風に考えて作っていると結構楽しいし、その楽しい状態になるといろんな国のことを考えたりする必要もないので、「自分たちが素直に面白いと思えるか」ということだけで作りますね。
具体的な話としては、ローカライズ※というものをしますよね。欧米で5〜6カ国、東南アジアを合わせて7〜8カ国のローカライズをします。そのローカライズをする人たちと20年くらい付き合いを続けてきて、ローカライズセンターみたいなものを作っています。昔は日本で作ったものを6〜10カ月遅れで米国で売り、そこからまた半年遅れで欧州で売っていたのですが、今は情報の流れが速いので「世界中で同時発売してくれ」と言われるんですね。
だから、世界中で同時に売れるように開発を進めるんです。開発者が日本人なのに、よく分からない英語やフランス語から作るという仕組みを確立することはあります。『New スーパーマリオブラザーズ Wii』だと、日本の発売が一番遅いんです(発売日は北米2009年11月15日、欧州11月20日、日本12月3日)。そういうところはありますが、作る内容ということに関してはあまりターゲットを考えないですね。